○留萌管内小中学校修学旅行実施基準とその要領
昭和45年11月1日教育委員会訓令第2号
留萌管内小中学校修学旅行実施基準とその要領
まえがき
修学旅行は、学習指導要領に示されている教育課程3領域中の特別活動に含まれ、その教育課程の全体を見とおして、他の教育活動では十分に達成しえない教育的価値を実現するために、児童生徒に生活全体の指導と実践に重要な機会と場を与えるものである。
この計画の実施に当たっては、その教育的意義を、十分理解し、児童生徒の健康安全のため、万全の策を講じ教育的効果を高めるよう周到な配慮をなすべきである。
目的地の選定、日程のくみ方、交通機関や宿泊所の選定に当たっては、地域の実情をよくは握し、小・中学校間の連絡を密にし、児童生徒の心身の発達段階と生活経験の実態、環境条件等から検討を加え、それぞれの学習対象を重点的に整理し、統一し、十分な関連性をもって考えることが大切である。
この基準と、その要領は、上述のような意図の実現と教育的効果を高めようとしたものである。各学校においては、その趣旨を十分勘案し、それぞれの実情に応じ、適切な計画を作成して実践するよう配慮されたい。
修学旅行実施基準
1 ねらいについて
修学旅行のねらいを、学習指導要領の趣旨を生かして、
(1) 個性と社会性の伸長を図る
(2) 学習内容の深化拡充、情操のかん養を図る
2 形態について
上記1のねらいが十分達成されるよう、地域の実態、学校の特性及び児童生徒の発達段階に応ずるとともに、小・中・高等学校の一貫性に立ち必要かつ最小の日数、経費によって最大の効果をあげるため、修学旅行の基本的な形態を、
A 宿泊施設、キャンプ等の利用による宿泊研修的な要素を主とするもの
B 現地での体験学習を深める見学旅行的な要素を主とするものに分けること。
なお、実施の計画に当たっては、各校種別に次のことに留意すること。
(1) 小学校
生活経験の比較的豊かな児童の多い学校にあっては、上記Aの形態を、生活経験の比較的とぼしい児童の多い学校にあってはBの形態をできるだけ取り入れるよう計画するものとし、前者に属する学校がBによる場合は、日帰りの計画についても考慮するものとする。
(2) 中学校
小学校における修学旅行の実態との関連を考慮して、A、Bいずれかに重点をおくよう計画するものとする。
3 計画作成上の具体的留意事項について
修学旅行の具体的な計画の作成に当たっては、各校種別に次によること。
(1) 小学校
ア 日数は、1泊2日以内とする。ただし、車船泊は認めない。
イ 回数は、在学中1回とし、最終学年に実施する。ただし、特別の事情がある場合は、この限りでない。
ウ 経費は、1,500円以内とする。ただし、鉄道ならびに移動・連絡のためのバスの運賃・料金は別とする。
エ 旅行の範囲は、道内に限る。
(2) 中学校
ア 日数は、3泊4日以内とする。ただし、車船泊は認めない。
イ 回数は、在学中1回とし、最終学年に実施する。ただし、特別の事情がある場合は、この限りでない。
ウ 経費は、3,500円以内とする。ただし、鉄道ならびに移動・連絡のためのバスの運賃・料金は別とする。
エ 旅行の範囲は、道内に限る。
4 生徒の参加について
学校行事として実施することにかんがみ、全員参加を原則とする。
5 実施計画書等について
修学旅行の実施計画書および報告書の様式、提出の方法等については、別に定めるところによるものとする。
6 実施期日について
この実施基準は、昭和46年4月1日から実施する。
(注) 高等学校については、道立高等学校に準ずるものとする。
修学旅行実施要領
1 ねらい
修学旅行を計画するに当たっては、まず自校の児童生徒の発達段階、学校の特性地域の実態等に即して、ねらいを明確にする必要がある。
各学校が計画する際の指針となるよう基本的な「ねらい」を次のように設定した。
(1) 個性と社会性の伸長を図る
日常の生活の場をはなれた継続的な生活の中で、級友、教師との長時間にわたる人間的な触れ合いや、規律ある集団的行動をすることによって、人格の調和ある発達と社会的連帯感を育成する。
(2) 学習内容の深化拡充、情操のかん養を図る
自然、文化、経済、産業、政治等に関する未知の世界を直接訪れることによって、それらの事物や現象を学習経験に応じて正しく理解させ、科学的に考察する態度や豊かな情操を育成する。
各学校にあっては、これらの基本的なねらいをふまえて、自校のねらいを具体的かつ重点的に明確に設定するとともに、児童生徒の主体的な学習参加を促進し、目的の達成に努めることが肝要である。
2 形態
地域の実態、学校の特性及び児童生徒の発達段階に応ずると共に小・中・高等学校の一貫性に立ち必要かつ最少の日数、経費によって、最大の効果をあげるため修学旅行の基本的形態を次のように定める。
(A) 宿泊施設、キャンプ等の利用による宿泊研修的な要素を主とするもの
(B) 現地での体験学習を深める見学旅行的な要素を主とするもの
なお、実施の計画に当たっては、各学校種別で次の点に留意すること。
(1) 小学校
Aの形態で実施する学校は、生活経験の比較的豊かな児童の多い学校でえらばれ、
Bの形態で実施する学校は、生活経験の比較的とぼしい児童の多い学校でえらぶことになる。
留萌管内においては、児童の生活経験拡充の意味から、当分の間、Bの形態が主となろうが、地域、学校の必要に応じて、Aの形態をとることがあってもよい。
(2) 中学校
小学校における修学旅行の実態との関連を考慮して、Aを主、Bを従または、Bを主、Aを従とするよう計画するものとする。
3 計画と準備
(1) 校内体制の確立
計画は、校長が責任をもって作成するもので、全校的な研究組織をつくり、常に改善を心がけ、適切かつ綿密な指導計画をたてなければならない。
このことについては、あくまでも学校としての主体性を堅持しなければならないが、適切な方法において児童生徒を計画立案に参加させることは、学習意欲を高め、自主的活動を促進するうえに効果があるので配慮することが大切である。
なお、児童生徒の参加については、全員参加を原則とし、事情によって不参加者のある場合でもその参加率は、総数の8割以上とする。
(2) 計画の規模
実施基準における時期、日数、回数、経費及び旅行の範囲は、その限度を示すものであるので特に留意しなければならない。ただし、不便地にあるため、これによりがたい場合は、あらかじめ教育長と協議することが必要である。
a 時期
実施の時期については、校内行事、気候条件、旅行地の自然的社会的条件等を十分考慮し、なるべく一般旅客の混雑する時期は避けるようにすることが望ましい。
JRを利用する場合は、団体受け入れの決定が実施の5か月前であるため、年度当初の計画に狂いを生じることのないよう十分留意することが必要である。
なお、旅行期間中に祝日を含むことはできない。学年始休業日及び学年末休業日期間を含むことも適当でない。
b 日数
小学校の日数は、1泊2日以内とする。ただし、車船泊は認めない。
中学校の日数は、3泊4日以内とする。ただし、車船泊は認めない。
c 回数
在学中1回とし、最終学年に実施する。ただし、実施学年については複式、複々式の学校及び統廃合等の特別の理由を有する場合は、この限りでない。
d 経費
経費については、できるだけ保護者の負担が過重にならないよう、更に一時に多額出費を要することのないよう積立てにより、長期にわたって準備するよう考慮すべきである。
所要経費は、実施年度時に教育委員会が各学校と調整決定する。
小学校の経費は1,500円以内とする。
中学校の経費は3,500円以内とする。
経費に含まれるものは、宿泊費、食費、見学バス代金、拝観料、入園(館)料、雑費、この中には、鉄道の運賃及び料金(急行料、座席指定料)学校と駅、駅と宿舎を結ぶバス代金は含まない。
全行程を貸切りバスによる場合は、バス代金の総額から学校と宿舎を結ぶ最短コースを乗車した場合の代金を差引いた金額を見学バス代金とみなす。
e 事前の点検
実施に当たっては、あらかじめ次の各項についても点検をしておく。
ア 学校としての携行品
イ 緊急事態発生の際の応急措置、連絡方法及びそのための組織体制
ウ 滞在地経路における道路や交通の状況及び伝染病、流行性感冒等の発生の有無
エ 気象状況についての予報の確認
オ 宿舎の非常口、避難用具の有無
f 学習内容の精選と行動時間の適正化
宿泊研修内容や見学地見学対象を精選し、学習行動時間の適正化に留意するとともに、実施期間全体を通してゆとりのある日程となるよう計画する。
特に、睡眠時間の確保に留意し、早朝から深夜におよぶ旅行計画は避けなければならない。そのため午前8時以前及び午後6時以後における全体的な集団活動は、ラジオ体操の実施等特別の場合を除いては行わないようにすることが望ましい。
なお、交通不便な地域においてやむを得ず出発が早朝になり又は帰着時刻がおくれるときは事前に教育長の指導を受ける。
また、長距離バスを利用する場合は、連続走行時間を最大限2時間30分とし、20分以上の休憩時間を必ず設けるとともに1日の実走行時間を6時間以内にとどめるよう留意する。
g 旅行の範囲(旅行先及び行程)
旅行地の選定については、児童生徒の教育的効果を主眼とし、その心身の発達に即するよう学習内容、事前指導、保健状況、交通事情、日数、疲労度、危険等について十分検討し、父母、児童生徒とともに協議決定し、いたずらに知名度に惑わされることなく、できるだけ事前に調査したり、詳細な資料を分析するなどして、学習適地としての価値判断に立って選定する。
特に、いわゆる観光地を選定する場合については、一般に学習資料が豊富である反面、享楽的ふん囲気を伴うものが多いので宿舎や行動時間見学対象等を決定する際は細心の注意をはらい好ましくない興味を与えることのないようにする。
行程については、小・中学校の計画が重複しないよう相互の連絡協議によっておおむね次のようなコースを選ぶようにする。
@ 小学校 留萌管内及び近接地、史跡、社会、産業、自然等修学旅行の目的達成にふさわしいところを重点的に精選するよう特に留意する。
A 中学校 道内における史跡、社会、産業、自然等修学旅行の目的達成にふさわしいところを重点的に精選するよう特に留意する。
h コースの一例
@ 小学校
札幌・小たる方面

コース

見学場所

留萌

 

滝川

 

江別

 

札幌

大通公園、石狩川、テレビ塔

小たる

水族館見学、港湾都市

定山渓

国立公園(温泉、川、発電所)

札幌

市内、デパート、動物園、植物園、議事堂、道庁、雪印、フルヤ、大学、新聞社

滝川

 

留萌

 

旭川方面

留萌

 

深川

石狩川、神居古たん

旭川

市内、平和通り、NHK、青少年科学館、常盤公園、林業試験所、合同酒精、博物館、動物園

層雲峡

国立公園、(柱状節理)、大ばこ、流星・銀河の滝等、石北峠

当麻

当麻えぞばんりうどう

神居古たん

 

留萌

 

Aの形態で実施する学校にあっては、宿泊研修の効果を高めるよう宿泊地、宿舎等十分調査したうえで、学習適地を選定しなければならない。
A 中学校
道南方面

コース

見学

研修

留萌

(車窓見学)

高圧送電線、鉄橋、堤防、鉱山都市、石狩川、石狩平野

 

札幌

  

千歳

千歳空港、勇払原野

 

苫小牧

苫小牧港、王子製紙

 

登別温泉地

地ごく谷 温泉都市、泉種、クッタラ湖、ケーブル、大ゆぬま、博物館

 

室らん

工業都市、重工業、貿易港、水族館、地球みさき

 

とうや湖

とうや湖、昭和新山、湖上遊覧、火山地帯、カルデラ湖、森林博物館、熱帯植物園、有珠岳

 

はこ館

 

函館市内中学校との交歓会

五りょう郭、トラピスト、たく木碑、青函連絡船、港湾都市、商業都市、函館山、立待みさき、北洋漁業

 

(車窓見学)

大沼公園、こまが岳、羊てい山、ふん火湾の漁業、火山地帯、火山灰

 

札幌

  

留萌

  

道央方面

コース

見学

研修

留萌

  

札幌

  

中山峠、昭和新山、熱帯植物園

 

とうや湖

湖上遊覧、森林博物館

 

室らん

水族館、新日本製紙

 

支こつ湖

支こつ湖

宿泊研修、登山の前夜学習たる前山登山

札幌

市内見学(も岩山、道庁他)

 

留萌

  

道東方面

コース

見学

研修

留萌

  

温根湯

神居古たん、層雲峡、柱状節理、大ばこ、小ばこ、石北峠、温泉市街、泉種

 

網走

天都山、原生花園、とう沸湖、美幌峠、屈斜路湖、和琴半島、砂湯

 

美幌

川湯温泉、硫黄山、はい松、摩周湖

 

弟子屈

阿寒湖、マリモ、ポッケ、湖上遊覧、雄雌阿寒岳

弟子屈町内中学校との交歓会

阿寒

原生林、アカエゾ松、亜寒帯原生林

 

ぬか平

人造湖、雑こく生産地帯

 

帯広

狩勝峠

 

くし路

港湾展望、たく木碑、春採湖、

 

帯広

根釧原野、たんちょう鶴

 

留萌

  

上記の例は、Bを主、Aを従で組まれたものである。このように研習的要素を組みこまなければならない。この場合、見学内容を精選するなどゆとりのある日程となるよう組みかえることが必要である。研習の組みこみについては、既に登山、交歓会等創意ある実践がみられるに至っているが、今後各学校の一層の研究が望まれる。
なお、Aを主・Bを従として実践する学校にあっては、内容の充実と研究効果を高めうる宿泊地、宿舎等をじゅうぶん調査したうえで学習適地を選定しなければならない。
4 引率教職員の編成
(1) 校長は、引率教職員を決定するに当たっては、慎重にこれを行うとともに校長又は教頭若しくはこれにかわる者を引率者とする。また、なるべく養護教諭を加えたり、女子教職員を含めるよう努める。
引率責任者は、引率上の全責任を負うとともに引率者の指導組織や事務分担を明確にして、相互研究を進め万全をつくさなければならない。
(2) 引率者の旅行中における勤務については、あらかじめ勤務時間の割り振りを適切にするなど慎重な配慮をしておかねばならない。
5 届出報告の活用
(1) 実施計画書等の提出
修学旅行実施に当たって校長は、次の書類をその示すところによりそれぞれ3部作成し、市町村教育長に2部提出しなければならない。
ア 修学旅行実施計画書T
別記様式1により作成し、毎年度○月○日までに提出しなければならない。
イ 修学旅行実施計画書U
小学校においてAの形態による修学旅行にあっては別記様式2による計画書UAを、Bの形態による修学旅行にあっては別記様式3による計画書UBを作成し、実施の3か月前までに提出しなければならない。
ウ 修学旅行実施計画書V
中学校の修学旅行にあっては、別記様式4による計画書Vを作成し、実施の3か月前までに提出しなければならない。
エ 修学旅行実施報告書
別記様式5により作成し、修学旅行終了後2週間以内に提出しなければならない。
上記の様式は、留萌管内小・中学校修学旅行実施基準とその要領が示すものである。
(2) 修学旅行の安全確保について
校長は、修学旅行中の事故を未然に防止するため、次の書類を作成し、実施の2週間前までに、それぞれの機関の長に送付することが望ましい。
ア 宿舎所在地所轄の警察署長への依頼書(別記様式6
イ 宿舎所在地所轄の消防署長への依頼書(別記様式7
ウ 宿舎及び弁当調整所所在地の保健所長への依頼書(別記様式8
6 事前指導
(1) ねらい、内容の徹底
児童生徒の自発的な意欲が期待され、指導のあり方によっては、きわめて大きな成果が得られるものであるから、各学校にあっては事前に詳細な指導計画を作成して、修学旅行のねらいや内容等について特設時間を設け、十分理解を深め、積極的に学習に取り組ませる必要がある。この場合適切な指導のもとに自主的なテーマの設定班の編成等を行わせることが望ましい。
(2) 生活上の指導
見学時や宿舎又は車船内においては、自律性や協調性のある行動が重要であることを理解させ、規則の遵守や時間の励行、機敏な行動、班のチームワークを強調したり、自然愛護や文化財保護などの態度の育成を図るべきである。
また、公衆道徳を守ることによって、楽しい旅行となることを日常の指導との関連においてあらかじめ徹底しておかなければならない。
(3) 健康の管理
旅行中に発病者が生ずると、本人はもちろん、全体行動にも影響を及ぼしやすいことを理解させ、旅行中の健康管理については、自ら細心の注意を払うよう指導するとともに、学校としては出発日直前に参加者全員の健康診断や健康調査を行ったり、特に必要と考えられる者については保護者から病歴や病気の傾向をききただしておく等の措置を講ずることが必要である。
(4) 事故、非行防止の指導
旅行中は、児童生徒の睡眠不足、心身の疲労、放心、解放感、好奇心、群集心理などから事故や非行の起こることが多いので、これらを未然に防止するため、次の各項をも含めて適切な指導を行っておかなければならない。
ア 決められた生活時間内において、十分睡眠をとるよう心がけさせる。
イ 利用する施設設備の責任者等から安全対策を確認するとともに、児童生徒にもこのことを周知させる。
ウ 交通規則を遵守させ、特に歩行時には車の動きに注意させる。
エ バス、観光船の利用については安全第一とし、定員以上の利用を止めさせるとともに児童生徒に対しては係員の指示に従うよう指導しておく。
オ 危険な地域や水域へ接近することを厳に禁止する。
カ 飲酒、喫煙、金銭乱費等の非行にはしらないようきめこまかな指導を行う。
キ 自由行動時には、班単位で行動させ、ひとりあるきは厳に禁止する。
ク 突発的に事故が発生した場合にとるべき心がまえや退避、救難、連絡等の措置について、つねに十分理解させておく。
(5) 服装携行品の指導
服装や携行品はできるだけ簡素を旨とし、新調を控え、衣類についても華美なものを避けるとともに刃物等の危険物は携行しないよう指導する。
(6) こづかいの制限と支出の指導
こづかいの支出額を想定して、その上限額をできるだけ押え、それを上回って持参させないよう保護者とも十分連絡をとるとともにその支出についても指導する。
7 旅行中の措置、指導について
(1) 状況のは握
引率者は、引率責任者を中心として、常に連絡をとり合い情報交換、情報分析を行い児童生徒の心理状態や行動を掌握しておくことがきわめて大切である。
(2) 人員の掌握
集合、解散時はもちろん、就寝、起床や乗降車船の際には人員の点呼を行うとともに常に異常の有無を確認しなければならない。
(3) 引率責任者の措置
引率責任者は諸状況を的確に判断し、予期しない事情の変化に際しては、日程、経路、見学先を変更したり、学校その他関係機関への報告をするなど臨機応変の措置を講ずる。
(4) 引率者の態度
児童生徒との望ましい人間関係の保持や生活指導を効果的にすすめる立場から起居、食事等の行動をともにするよう心がける。また引率者の行動は、学校にあるときよりも児童生徒に与える影響が大きいので自ら垂範に努めて教師の品位や信頼感を失なうような行動は厳につつしむ。
さらに、引率者は、教師としての自覚と愛情をもち児童生徒と行動をともにする中で生徒理解のよい機会となるよう配慮して接する。
ただし、万一児童生徒に誤った行動が認められた場合は、特に全体への影響や旅行先での不祥事であることなどを考え、適切な判断と、き然たる態度によって、これを指導しなければならない。
(5) 健康の管理、指導
児童生徒の暴飲暴食、睡眠不足、ねびえ、流行性感冒、疲労過重などに注意して、健康状況を掌握し、常に適切な指導を加える。
(6) 宿舎における指導
宿舎では、みだりに、はいかいすることなく特に夜は静粛を保つよう心がけさせる。
また、夕食後には時間を特設して班ごとに当日の学習や行動の反省、まとめを行うよう指導する。
なお、落書き、のぞき見、器物の破損や持ち出し、その他のいたずら行為のないよう厳重に注意しておく。
さらに、宿舎において、他校生と同宿する場合には、引率責任者は先方の引率責任者と連絡を密にして無用の摩擦の生ずることのないよう配慮する。なお、宿舎到着後は、非常口を確認し児童生徒に周知徹底させなければならない。
(7) 男女の交際
見学時や車船中、宿舎での男女の交際は明るく健全なものとなるよう適切に配慮する。特に中学生については複数で交際させ互に異性を理解し合うよう指導することが望ましい。
8 事後指導
(1) 反省会の開催
実施後できるだけ早い機会に反省会をもち児童生徒の旅行中の学習や行動について考えさせるとともに、引率者も反省会をもって翌年度の修学旅行計画の改善に資する。
(2) 成果の発表
学習事項、研究課題、感想などをまとめさせ、これら修学旅行によって得た成果を発表展示するなどして、その後の学習に生かすよう指導する。
(3) 事後の観察
児童生徒個人又は相互間の人間関係や行動について、旅行の前後の変化を観察し遺漏のないよう指導する。
(4) 事後の健康管理
帰校後の健康状態、特に伝染病発生の徴候の有無を調べ必要な措置を講ずるなど健康管理に十分留意する。
(5) 礼状の送付
旅行中に便宜、協力を受けた部外者、先輩や諸機関に対して礼状を出させるよう指導する。
別記様式1
別記様式2
別記様式3
別記様式4
別記様式5
別記様式6
別記様式7
別記様式8