第1条 この安全管理規程(以下「本規程」という。)は、
鉄道事業法(昭和61年法律第92号。以下「法」という。)第38条において準用する同法第18条の3第2項の規定に基づき、輸送の安全を確保するために遵守すべき事業の運営の方針、事業の実施及び管理の体制、方法を定めることにより、安全管理体制を確立し輸送の安全の水準の維持及び向上を図ることを目的とする。
第2条 町長、教育長は安全第一の意識をもって事業活動を行える体制の整備に努めるとともに、索道施設及び職員を総合活用して輸送の安全を確保するための管理の方針その他事業活動に関する基本的な方針は次項によるものとし、安全の確保に関する業務の実施状況を踏まえ、必要に応じて見直すものとする。
2 町長、教育長及び職員(職員に準ずるものを含む。以下「職員等」という。)の安全に係る行動規範(安全の基本理念、安全方針)は、次のとおりとする。
(1) 一致協力して輸送の安全の確保に努めること。
(2) 輸送の安全に関する法令及び関連する規程(本規程を含む。以下「法令等」という。)をよく理解するとともにこれを遵守し、厳正、忠実に職務を遂行すること。
(3) 常に輸送の安全に関する状況を理解するよう努めること。
(4) 職務の実施に当たり、推測に頼らず確認の励行に努め、疑義のある時も安全と思われる取り扱いをすること。
(5) 事故、事故のおそれのある事態、災害その他輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある事態(以下「事故・災害等」という。)が発生したときは、人命救助を最優先に行動し、すみやかに安全適切な処置をとること。
(6) 情報は漏れなく迅速、正確に伝え、透明性を確保すること。
(7) 常に問題意識を持ち、必要な変革に果敢に挑戦すること。
3 第1項の方針に基づき策定した索道施設及び職員等に係る安全性の維持、向上のための施策は、適宜見直すものとし、当該施策及びこれに基づく取り組みの実績その他安全に関する情報については、毎年度、これを取りまとめ安全報告書として公表する。
第3条 町長は、輸送の安全の確保に関する最終的な責任を負う。
2 町長、教育長は輸送の安全を確保するための索道事業の実施及び管理の体制を整備するとともに、索道事業の実施及び管理の方法を定める。
3 町長、教育長は索道事業の遂行に際し、設備、運行、要員、投資、予算その他必要な計画の策定において、次条に掲げる者その他必要な責任者に対し、安全性及び実現可能性の観点から検証を行わせる。
4 町長、教育長は輸送の安全を確保するため、索道事業の実施及び管理の状況を把握し、必要な改善を行う。
5 町長、教育長は輸送の安全確保に関する改善施策の決定に際しては、安全統括管理者のその職務を行う上での意見を尊重する。
6 町長、教育長は事故、事故のおそれのある事態、災害その他輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある事態(以下「事故・災害等」という。)の規模や内容等に応じて、対応方法その他必要な事項を職員等に周知・徹底する。
第4条 幌延町東ヶ丘スキー場の索道事業における安全確保に関する体制は安全管理体制図(
別図1)のとおりとし、各々の責任者の役割及び権限は、次に掲げるとおりとする。
(1) 副管理者:管理者を補佐し、管理運営の業務を掌り、管理者に事故あるときは、その業務を代理する。
(2) 安全統括管理者:索道事業の輸送の安全確保に関する業務を統括する。
(3) 索道技術管理者:安全統括管理者の指揮の下、索道の運行の管理、索道施設の保守の管理その他の技術上の事項に関する業務を統括管理する。
(4) 索道技術管理員:索道技術管理者の指揮の下、索道技術管理者の行う業務を補助する。
(5) 安全統括管理者は索道技術管理者を兼務することができる。
2 前項の責任者の選任、解任等については、これを職員等に周知することにより、輸送の安全確保に関する責任体制を明確にする。
3 第1項の責任者は、輸送の安全確保に関する情報に係る相互の連絡を緊密にし、打合せを正確に行うことにより、各々の業務を適切に遂行できるようにするものとする。
4 町長は、各責任者が事故等によりその職務を遂行できない場合には、その都度適切な者にその職務を代行させる。
第5条 安全統括管理者は、
法及び
鉄道事業法施行規則(昭和62年運輸省令第6号。以下「規則」という。)で定める資格要件を満たす者のうち、安全に関して十分な知識及び経験を有する者を選任するものとする。
2 安全統括管理者が次の各号のいずれかに該当することとなったときはこれを解任する。
(1) 人事異動等により安全統括管理者の要件を満足しなくなったとき。
(3) 身体の故障その他やむを得ない事由によりその職務を引続き行うことが困難になったとき。
(4) 関係法令等に違反する等により、安全統括管理者がその職務を引き続き行うことが輸送の安全の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき。
第6条 安全統括管理者は、輸送の安全の確保に関し、次に掲げる責務を有する。
(1) 安全確保を最優先した輸送業務の実施及び管理部門を統括管理すること。
(2) 職員等に対し、関係法令等の遵守と安全第一の意識を徹底させること。
(3) 輸送業務の実施及び管理の状況について、随時、確認を行い、必要な改善措置を講じること。
(4) 輸送の安全確保に関する事業運営上の重要な決定に参画し、町長、教育長に対し、輸送の安全の確保に関し、その職務を行う上での必要な意見を述べること。
(5) 輸送の安全の確保に関し、事故、災害等その他必要な情報を収集し、職員等その他必要な責任者にこれを周知し必要な指示を行うこと。
第7条 索道技術管理者は、
法及び
規則で定める要件を満たす者の中から選任することとし、社会教育グループ社会体育主査を充てる。ただし、社会教育グループ社会体育主査が要件を満たさない場合には、職員の中から適切な者を選任する。
2 第5条第2項の規定は、索道技術管理者の解任について準用する。
第8条 索道技術管理者は、次に掲げる業務を統括管理する責務を有する。
(3) 係員(職員等のうち、現場において索道施設の保守又は索道の運行に係る直接の作業を行う者をいう。以下同じ。)の教育訓練に関する事項
第9条 索道技術管理員は、
法及び
規則で定める要件を満たす者の中から選任することとし、幌延町東ヶ丘スキー場管理業務受託者から索道主任を充てる。
第10条 安全統括管理者は、輸送の安全確保に関する業務を統括管理するため、業務の実施に関し不安全行動などの安全を損なう事態及び事故の防止対策に有効な情報などを索道技術管理者から随時報告を求める。
2 職員等は、輸送の安全の確保に関し、相互に必要な情報を伝達する。
第11条 安全統括管理者は、事故、災害等、その他輸送の安全確保に資する情報を分析、整理し、事故防止対策の検討を行う。
2 安全統括管理者は、前項の検討を通じて、不安全事象の再発防止又は安全意識の向上の観点から輸送業務に携わる者に知らしめることが重要である事項については、職員等が共有できるようにする。
第12条 安全統括管理者は、適宜、事業所に赴き輸送に係る業務の実施及び管理の状況を確認することにより、潜在する危険要因を抽出し、業務改善が必要な事項について的確な措置を講ずる。
第13条 安全統括管理者は、安全管理体制の維持、改善に必要な教育訓練を適宜実施する。
第14条 安全統括管理者その他の責任者は、輸送の安全を確保するため、本規程、実施細則のほか、索道施設の保守及び索道の運行に関して必要がある場合に規程を整備する。
第15条 本規程その他の輸送の安全確保に係る規程、索道施設の構造、性能等に係る帳票類等その他必要な資料等は、必要な部門に備え、索道技術管理者が適切に保管する。
2 安全統括管理者の意見及び輸送の安全の確保に関する事業運営上の方針の作成に当たっての会議の議事録は、記録を作成し、安全統括管理者が適切に保管する。
3 前各号に掲げるほか、輸送の安全の確保に関する規程、帳票類その他資料の管理の方法、必要な文書の記録及び保管の方法は索道技術管理者が適切に行う。
第16条 索道技術管理者は、索道施設の設置又は改良にあたり輸送の安全確保に支障が生じないよう整備計画を策定し、安全統括管理者に報告する。
2 索道技術管理者は、索道施設の設置又は改良の実施にあたっては、適宜、検査等を行って適切に施工されていることを確認する。
第17条 索道技術管理者は、索道施設を常に安全な状態に保持するため、検査、整備など索道施設の保守に関する計画を作成し、安全統括管理者に報告する。
2 前項の計画は、事業所の索道基数、施設整備に係る担当者数、作業量等を十分考慮したものであって、索道の安全な運行に支障を生じないものとする。
3 索道技術管理者は、第1項の計画の実行に支障を生じないように要員の確保、交換部品の供給等に努める。
4 索道技術管理者は、索道施設の検査、整備に係る作業の方法、手順等を索道整備細則に定めて関係者に周知し、徹底する。
第18条 索道技術管理者は、事業所における索道の旅客の状況等に応じて、輸送の安全を確保するための係員の配置を、安全統括管理者に報告する。
2 索道技術管理者は、定められた運行時間に対応した係員の交番表を作成する。
3 索道技術管理者は、索道の運行に支障を生じないように、所要の係員を配置する。
第19条 索道技術管理者は、運行開始前に始業点検を実施し、運行に支障のないことを確認し、所要の係員が所定の配置についたことを確認した後でなければ運行を開始してはならない。
第20条 索道の運行の管理は、選任された索道技術管理者が行う。
2 索道技術管理者は、索道技術管理員が病欠等で不在となった場合の対応について、あらかじめ代務者を定めて関係者に周知し、徹底する。
第21条 索道技術管理者は、乗車人員、その他の乗車制限に係る取扱いを索道運転細則に定めて係員に周知し、徹底する。
第22条 索道技術管理者は、気象の状況に留意し、輸送の安全に支障を生ずるおそれがある場合には、運行停止の指示その他適切な措置を講じる。
第23条 索道技術管理者は、係員に対し教育訓練を行い、作業を行うのに必要な知識及び技能を保有していることを確認し当該作業を行わせる。
2 索道技術管理者は、係員が知識及び技能を十分に発揮できない心身状態にあると認めるときは、その作業を行わせてはならない。
3 索道技術管理者は、係員の資質の充足状況に疑義のある報告を受けた場合、知悉度等を確認した上で必要な教育計画を策定し、教育訓練を実施する。
第24条 索道技術管理者は、事故発生時における対応を定めた、特殊索道救助要項に基づき、係員が迅速かつ的確に対応できるように、定期的に救助等に関する訓練を行う。
第25条 索道技術管理者は、索道の運行又は索道施設の保守の業務を委託する場合にあっては、委託業務の種類、範囲、作業に必要な情報の管理(異常時における連絡通報体制を含む。)受託者の業務管理体制及び係員の教育訓練体制について受託者に周知し、徹底する。
この訓令は、公布の日から施行し、平成18年10月1日から適用する。