第1条 この訓令は、職員が町民全体の奉仕者であってその職務は町民から付託された公務であることにかんがみ、職員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する町民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する町民の信頼を確保することを目的とする。
2 この訓令において、「事業者等」とは、法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。
3 この訓令の適用については、事業者等の利益のためにする行為を行う場合における役員、従業員、代理人その他の者は、前項の事業者等とみなす。
4 この訓令において「利害関係者」とは、職員が職務として携わる次の各号に掲げる事務の区分に応じ、当該各号に定める者をいう。ただし、職員の職務との利害関係が潜在的なものにとどまる者又は職員の裁量の余地が少ない職務に関する者を除く。
(1) 許認可等をする事務 当該許認可等を受けて事業を行っている事業者等、当該許認可等の申請をしている事業者等又は個人(前項の規定により事業者等とみなされる者を除く。以下「特定個人」という。)及び当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
(2) 補助金等を交付する事務 当該補助金等の交付を受けて当該交付の対象となる事務又は事業を行っている事業者等又は特定個人、当該補助金等の交付の申請している事業者等又は特定個人及び当該補助金等の交付の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
(3) 立入検査、監査又は監察(以下この号において「検査等」という。)をする事務当該検査等を受ける事業者等又は特定個人
(4) 不利益処分をする事務 当該不利益処分をしようとする場合における当該不利益処分の名あて人となるべき事業者等又は特定個人
(5) 行政指導をする事務 当該行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている事業者等又は特定個人
(6) 契約に関する事務 当該契約を締結している事業者等又は特定個人、当該契約の申込みをしている事業者等又は特定個人及び当該契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
(7) 前各号に掲げるもののほか、職員が職務として携わる事務 当該事務に関し利害関係を有する事業者等又は特定個人
5 職員に異動があった場合において、当該異動前の職務に係る当該職員の利害関係者であった者が、異動後に引き続き当該職務に係る他の職員の利害関係者であるときは、当該利害関係者であった者は、当該異動の日から起算して1年間(当該期間内に、当該利害関係者であった者が当該職務に係る他の職員の利害関係者でなくなったときは、その日までの間)は、当該異動があった職員の利害関係者であるものとみなす。
6 他の職員の利害関係者が、職員にその職に基づく影響力を当該他の職員に行使させることにより自己の利益を図るためにその職員と接触していることが明らかな場合においては、当該他の職員の利害関係者は、その職員の利害関係者であるものとみなす。
7 この訓令において「倫理監督員」とは、職員の職務に係る倫理の保持を図るために置かれる職員であって、職員に対する倫理の保持に係る指導及び助言を行う者をいう。
8 この訓令に規定する倫理監督員の職務は、副町長が行うものとし、倫理監督員は、その指定する職員に当該職務の一部を行わせることができるものとする。
第3条 職員は、町民全体の奉仕者であり、町民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について町民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等、町民に対して不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。
2 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。
3 職員は、法律又は条例により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等(金銭、物品その他財産上の利益の供与若しくは供応接待をいう。以下同じ。)を受けること等の町民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。
4 職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、全力を挙げてこれに取り組まなければならない。
5 職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならない。
第4条 職員のうち管理監督の地位にある者(以下「管理職員」という。)は自らが率先して模範を示すことにより適正な職務遂行及び厳正な服務規律の確保を図るとともに、監督責任を十分に自覚し、部下職員に対する指揮監督に努めなければならない。
2 管理職員は、所属部下職員に対し、関係法令若しくは職務上の義務に違反し、又は公正な職務の執行を損なうおそれのある行為をすることを命じてはならない。
第5条 職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) 利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与(せん別、祝儀その他これらに類するものとしてされるもの(香典又は供花にあっては、儀礼として社会通念上相当であると認められるものを除く。)を含む。以下「金銭等の贈与」という。)を受けること。
(2) 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。
(3) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。
(4) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で役務の提供を受けること。
(7) 利害関係者と共に遊技又はゴルフをすること。
(8) 利害関係者と共に旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。
2 前項の規定にかかわらず、職員は、次に掲げる行為を行うことができる。
(1) 利害関係者から宣伝用物品又は記念品であって広く一般に配布するためのものの贈与を受けること。
(2) 職務として出席した会合において、利害関係者から簡素な飲食物の提供を受け、又は記念品(出席者全員に配布されるものに限る。)の贈与を受けること。
(3) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される物品を使用すること。
(4) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される自動車(当該利害関係者がその業務等において日常的に利用しているものに限る。)を利用すること(当該利害関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。)。
(5) 職務として出席した会議その他の会合において、利害関係者から茶菓の提供を受けること。
(6) 利害関係者と共に職務として出席した会議その他打合せのための会合の際、自己の費用を負担して飲食をすること。ただし、簡素な飲食以外にあっては、倫理監督員が公正な職務の執行に対する町民の疑惑や不信を招くおそれがないと認めたものに限る。
(7) 公共的団体の職員である利害関係者と共に自己の費用を負担して飲食、遊技若しくはゴルフ又は旅行(以下「遊技等」という。)をすること。ただし、多数のものが参加する遊技等以外の遊技等にあっては、倫理監督員が公正な職務の執行に対する町民の疑惑や不信を招くおそれがないと認めたものに限る。
(8) 公共的団体の職員である利害関係者と共に自己の費用を負担して飲食、遊技等(公正な職務の執行に対する町民の疑惑や不信を招くおそれがないと認めたものに限る。)をすること。
3 第1項の規定にかかわらず、職員は、国及び北海道の職員、他の市町村等の職員と共に自己の費用を負担して飲食及び遊技等の行為(公正な職の執行に対する町民の疑惑や不信を招くおそれがあるものを除く。)を行うことができる。
4 第1項の規定の適用については、職員が、利害関係者から、物品若しくは不動産を購入した場合、物品若しくは不動産の貸付けを受けた場合又は役務の提供を受けた場合において、それらの対価がそれらの行為が行われた時における時価よりも著しく低いときは、当該職員は、当該利害関係者から、当該対価と当該時価との差額に相当する額の金銭の贈与を受けたものとみなす。
第6条 職員は、私的な関係(職員としての身分にかかわらない関係をいう。以下同じ。)がある者であって、利害関係者に該当するものとの間においては、職務上の利害関係の状況、私的な関係の経緯及び現在の状況並びにその行おうとする行為の態様等にかんがみ、公正な職務の執行に対する町民の疑惑や不信を招くおそれがないと認められる場合に限り、前条第1項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる行為を行うことができる。
2 職員は、前項の公正な職務の執行に対する町民の疑惑や不信を招くおそれがないかどうかを判断することができない場合においては、倫理監督員に相談し、その指示に従うものとする。
第7条 職員は、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から通常一般の社交の程度を超えて贈与等を受けてはならない。
2 職員は、自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、その者が利害関係者であるかどうかにかかわらず、それらの行為が行われた場に居合わせなかった事業者等にその者の負担として支払わせてはならない。
第8条 職員は、利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて、講演、討論、講習若しくは研修における指導若しくは知識の教授、著述、監修、編さん又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送の放送番組への出演(
地方公務員法第38条第1項の許可を得てするものを除く。)をしようとする場合は、あらかじめ倫理監督員の承認を得なければならない。
第9条 職員は、自らが行う行為の相手方が利害関係者に該当するかどうかを判断することができない場合、利害関係者との間で行う行為が第5条第1項各号に掲げる行為に該当するかどうかを判断することができない場合その他必要があると認める場合には、倫理監督員に相談するものとする。
第10条 職員は、この訓令の規定により受けてはならないこととされている贈与等を受けたときは、その都度管理職員を通じて倫理監督員に贈与等報告書(
第1号様式)により報告するとともに、当該贈与等を受けた利益を速やかに返還するものとする。
第11条 職員は、この訓令に違反する行為(違反するおそれがある行為を含む。以下「違反行為」という。)を発見したときは、遅滞なく通報しなければならない。
2 通報した職員は、通報したことを理由に不利益な取り扱いを受けることはない。
第12条 町長は、職員がこの訓令に違反行為を行った場合には、その違反の程度に応じ、
地方公務員法第29条の規定に基づく懲戒処分、又は訓告等の人事管理上必要な職員に対する処分を行うものとする。
第13条 町長は、職員の職務に係る倫理の保持を図るため必要な事項及び前条に規定する懲戒処分等の決定に当たっては、
幌延町職員の懲戒処分の基準等に関する規程(平成18年訓令第25号)で定める懲戒処分等審査委員会に諮問し、調査審議又は意見の具申を行わせるものとする。
第14条 町長及び副町長は、この訓令の趣旨に沿って倫理の保持に努めなければならない。
第15条 この訓令に定めるもののほか、この訓令の施行に関し必要な事項は、町長が定める。
1 この訓令は、平成23年2月23日から施行する。
2 この訓令の施行前に起した禁止行為に対する処分の適用については、なお従前の例による。