地域資源とエネルギー
幌延町の地域資源とエネルギーへの取り組みについてご紹介いたします。
幌延町の取り組み
深地層研究
資源の乏しい日本では、エネルギーの安定供給を維持するために、原子力が欠かせません。
いま、我が国のエネルギーの約3分の1は原子力によるものです。原子力発電は、発電過程においては地球温暖化や大気汚染の原因となる二酸化炭素、硫黄酸化物、窒素酸化物の排出が少なく、しかも使用済燃料を再処理して回収されるウランやプルトニウムは燃料として再利用できるので、ウラン資源の有効利用が図られ、純国産エネルギーの供給源となります。
幌延町では国のエネルギー政策への貢献と学術研究施設の集積による地域振興を図ることを目的とし、平成13年4月核燃料サイクル開発機構(現:日本原子力研究開発機構)幌延深地層研究センターの立地が実現しました。ここでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究開発として、「地層科学研究」や「地層処分研究開発」を推進し、地層処分の技術的な信頼性を深地層での試験研究などを通じて確認していきます。
原子力発電のメリット
- 電力を安定して供給することができます。
- 地球温暖化の原因となる二酸化炭素等の排出を少なく発電することができます。
- 9割以上の燃料をリサイクルすることができます。
バイオマスエネルギーの活用
バイオマスエネルギーとは、農作物や食料品などの廃棄物、家畜のふん尿、間伐材や廃材など、有機物を利用した「生物資源」のことです。用途に応じて固体・液体・気体の燃料に変化させ、使うことが出来ます。これらは燃焼すると二酸化炭素を排出しますが、それはもともと樹木や牧草、野菜などの植物が光合成をして体内に取り込んでいたものなので、私たちがバイオマスエネルギーを利用すると同時に森林や植物を育成すれば、排出した二酸化炭素を再び吸収・貯蔵することが出来ます。
道内でも最近では、家畜のふん尿などの畜産廃棄物をエネルギー源として活用するバイオガスプラントの導入がすすめられています。酪農を基幹産業とする幌延町でも、バイオマスエネルギーの活用が期待できます。
地方創生施策の一環としてバイオマスの利活用調査を行なっています
臭気対策や地域循環型農業の確立による雇用の増加等を目的に道北地域で導入の進んでいない家畜ふん尿を主原料としたバイオマス利活用の可能性について調査します。幌延町がバイオマス産業都市に選定されました
幌延町における家畜ふん尿バイオマスの利活用等についてとりまとめた「幌延町バイオマス産業都市構想」が、バイオマス産業都市選定委員会での審査を経て、平成30年10月23日に認定されました。本構想は、酪農が将来にわたり本庁の基幹産業として継続し、かつ、酪農を営む集落が存続するための要素のひとつにバイオガスプラントの普及を位置づけ、エネルギーの自家消費と低電圧(50kW未満)売電を組み合わせた資源循環型バイオガスプラントモデルを構築することを主眼に置き、策定しています。
H30.11.7 認定証授与式
市町村バイオマス活用推進計画【バイオマス産業都市構想】
バイオマスの活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的としたバイオマス活用推進基本法第20条に基づき、国は「バイオマス活用推進基本計画」(以下「基本計画」という。)を策定しており、同法第21条第2項には、市町村においても基本計画を勘案し、バイオマスの活用の推進に関する計画を策定するよう努めなければならないと規定されています。
このことから、幌延町においては、「幌延町バイオマス産業都市構想」を「市町村バイオマス活用推進計画」に位置付け、同法第21条第3項の規定に基づき、これを公表します。
風力発電:オトンルイ風力発電所
幌延町の風力発電プロジェクトにもとづき、平成12年10月、幌延風力発電株式会社が設立されました。つづいて利尻富士を望む日本海に面した浜里地区に、オトンルイ風力発電所の建設が進められ、試運転調整を経て平成15年2月から本格稼動を始めています。道道稚内天塩線沿いに、南北3.1キロメートルにわたって並ぶ風車は全28基あり、1基あたり750キロワット、総出力21,000キロワットを発電します。ここから北海道電力幌延変電所へ、幌延市街を約17キロメートルの送電線を経由して、年間5,000万キロワット時を送電する計画です。
日本は、北海道の西側と、青森県から秋田県くらいまでの地域が、1年を通じて安定した電気をつくる風に恵まれているといわれています。中でも幌延町では季節を問わず十分な風を得ることが出来ます。また、巨大な風車を数多く建てることができる広い土地や輸送路、送電のための設備が整っているなど、風力発電所の開設に必要な条件が整っています。
高さ99メートルの風車で、より安定した出力を追及。
化石燃料に替わる新しいエネルギー源のひとつとして注目されている風力発電は、環境への影響が少なく、風が無尽蔵な資源であるという利点があります。一方、常に変化する風の状況対応し、安定した出力を確保するための技術開発に課題が残されています。そこで、オトンルイ風力発電所では、北海道電力サロベツ発電所の風車より33メートル以上背の高い99メートルの風車を採用し、より効果的に風を受けることで、安定した発電を目指しています。
幌延町小型風力発電施設建設に関するガイドライン
幌延町において、小型風力発電施設及び施設建設に伴う送電線等の付帯設備を建設するにあたり、環境保全、景観形成の観点から事業者が自主的に遵守すべき事項を定めました。【対象施設】
20kW未満の小型風力発電施設及び施設建設に伴う送電線等付帯設備の新設、増設又は大規模な改修
【対象地域】
幌延町全域
【基準項目】
(1)小型風力発電施設の設置場所 (5)景観対策
(2)騒音及び低周波対策 (6)既設風力発電所への影響
(3)電波障害 (7)光害対策
(4)自然環境対策 (8)文化財対策
太陽光発電
太陽光発電とは、シリコン半導体に光があたると電気が発生する現象を利用し、太陽の光を直接電気に変換する方法です。太陽光発電は、設置する場所の広さにあわせて自由に規模を決めることができます。システムの規模が大きくなると発電量も単純に比例して大きくなるため、家庭用から大規模施設までその施設にあったシステムを設置することができます。幌延町は、比較的日照時間が短いため、発電時間は短くなりますが、太陽光発電システムは外気温が1℃上昇すると発電効率が0.5%低下するとされていることから、平均気温が低い地域では効率よく発電することができるともいえます。また、積雪地域であることから、設置する場合には積雪対策としてパネルの設置傾斜角度や高さに配慮する必要があります。
太陽光発電設置公共施設
- 幌延小学校 (総出力19.98キロワット)
- 問寒別小中学校 (総出力9.88キロワット)
- 幌延町生涯学習センター (総出力10.00キロワット)
- 幌延町立診療所(総出力10.00キロワット)
雪氷エネルギーの活用
日本の国土の約50%は降雪地域です。その雪や氷を天からの恵みと考え、エネルギーとして生かすことは、雪国に住む私たちの特権といえます。すでに、北海道や東北地方などでは、雪氷が生み出す冷熱エネルギーを農産物貯蔵施設や冷房施設に活用されています。雪1トンの利用で約10リットルの石油代替効果が見込まれ、資源の節約や二酸化炭素削減による地球温暖化防止に大きく貢献します。幌延町においても、導入を促進すべき新エネルギーとして期待できます。
雪氷冷熱エネルギーの利用形態
- 空気循環方式
- 小規模施設(例:簡易な雪室、氷室)
- 大規模施設(例:大規模農業倉庫)
- 融解水の熱交換による方式(例:雪冷房マンション)
- 冷凍機のヒートダウンによる方式(冷凍設備)(例:冷凍機併設の氷室)
雪氷冷熱エネルギーの意義・メリット
- 省エネルギー効果(石油代替性)
- 二酸化炭素排出抑制効果
- 除湿、除塵効果(人に優しいエネルギー)
- 作物等の鮮度保持・糖度増加
- 豪雪地域における地域活性化
最終更新日:2023年09月07日
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