幌延町内における宗谷本線「極端に利用の少ない無人駅」に係る町方針について
JR北海道から要請のあった「極端に利用の少ない無人駅」の廃止または自治体による維持管理について幌延町の方針等をご説明します。
JR北海道の要請について
青空と「上幌延駅」
・自治体維持管理する場合:令和3年4月以降の自治体維持管理に向けて調整
・廃止する場合:令和3年3月ダイヤ改正で廃止
1.幌延町内廃止等対象駅
町内における廃止等対象駅は次の7駅です。
・下沼駅
・上幌延駅
・南幌延駅
・安牛駅
・雄信内駅
・糠南駅
・問寒別駅
2.自治体維持管理想定費用
上記7駅を自治体維持管理とした場合の想定費用合計は次のとおりです。
区分 | 7駅計 | 備考 |
---|---|---|
(ア)経常費用 | 5,600 | |
(イ)うち委託費用 | 1,100 | 必須費用 |
(ウ)うち自治体実施可能作業費用 | 2,200 | 圧縮可能費用 |
(エ)差引圧縮後自治体負担費用:(ア)‐(ウ) | 3,400 | |
(オ)臨時的費用 | 700 | 駅舎乗降場修繕等 |
(カ)計:(エ)+(オ) | 4,100 |
※(ウ):巡回、清掃費用等で自前で実施することにより圧縮可能となる費用
3.自治体維持管理人的負担
自治体維持管理した場合必要となる人的負担は次のとおりです。
・人材確保:駅巡回、除雪・除草、清掃要員等
・施設管理:定期巡回、駅舎乗降場修繕等
-
下沼駅 -
上幌延駅 -
南幌延駅 -
安牛駅 -
雄信内駅 -
糠南駅 -
問寒別駅
町方針(案)策定について
1.町の考え方町方針(案)を策定するうえでの考え方は次のとおりです。
・町内廃止等対象7駅すべてを維持管理することは、費用や人的負担面で困難
・地域の足として一定程度の駅は存続が必要
・秘境駅等鉄道系観光資産によるまちおこし推進により一定程度の地域経済活性化貢献
2.町方針(案)
上記の考え方のもと総合的に検討を進め、次のとおり廃止等対象駅についての方針(案)としました。
(1)廃止を容認する駅
・上幌延駅
・安牛駅
【容認理由】
・利用が僅少であること
・ホームが土盛形状のため維持管理費用が比較的高額(板張ホーム比)であること
・近距離等間隔で3駅が連接しており隣接中間地点にある南幌延駅での乗降が可能であること
(2)自治体維持管理を要望する駅とその理由
・下沼駅:サロベツ湿原等観光資源の玄関口として活用度が高いこと
・南幌延駅:廃止容認2駅の中間点に位置すること
・雄信内駅:宗谷本線の歴史を伝える国鉄型木造駅舎の希少性について考究が必要なこと
・糠南駅:秘境駅等鉄道系資産によるまちおこしの象徴的存在であり民間有志による大規模イベントも開催されていること
・問寒別駅:市街地を形成していること
3.町方針等
町方針(案)をもとに、対象となる地域において、廃止対象駅の利用状況、今後の必要性等のご意見を伺い、概ね町方針(案)にご了承いただけたことから、町方針(案)のとおり決定し、JR北海道へ方針を報告しました。
-
クリスマスパーティー in 糠南 -
歴史的建造「雄信内駅」
今後の展望等について
(1)今後のスケジュールについて今回の無人駅廃止または自治体維持管理については、次のような諸手続きが必要となります。
・令和2年度:自治体維持管理、廃止に向けた諸手続き
・令和3年3月:ダイヤ改正により対象駅廃止
・令和3年度:対象駅自治体維持管理開始
【廃止または自治体維持管理に向けた取組に係るアイデア募集】
対象駅について、地域住民の皆さまをはじめ多くの人の心に残るような取組を推進するべく皆さまからのアイデアを募集しておりますのでご提案ください。お問い合わせは下記メールアドレスに送信願います。
(2)検討課題等について
今回の無人駅廃止または自治体維持管理については、次のような課題に対して検討を進め対応することが必要となります。
・施設管理及び人材確保
・地域公共交通等体系検討整備
・秘境駅等鉄道系資産によるまちおこし推進展開
(3)自治体維持管理費用の確保について
存続方針とした5駅の自治体維持管理費用については、平成29年度から秘境駅維持等のため「ふるさと納税(ふるさと応援寄付金)」の取組として始めた「あなたが守る秘境駅プロジェクト・マイステーション運動」寄附金のよりいっそうの展開・活用を図り、必要な財源確保に努めます。
なお、5駅にかかる維持管理想定費用は次のとおりです。
区分 | 7駅計 | 存続5駅計 | 廃止2駅計 |
---|---|---|---|
(ア)経常費用 | 5,600 | 4,200 | 1,400 |
(イ)うち委託費用 | 1,100 | 900 | 200 |
(ウ)うち自治体実施可能作業費用 | 2,200 | 1,600 | 600 |
(エ)差引圧縮後自治体負担費用:(ア)‐(ウ) | 3,400 | 2,600 | 800 |
(オ)臨時的費用 | 700 | 600 | 100 |
(カ)計:(エ)+(オ) | 4,100 | 3,200 | 900 |
マイステーション運動(ふるさと応援寄附金) | 寄附金額 | 経費控除後 | 年度末残高 |
平成29年度 | 1,960 | 850 | 850 |
平成30年度 | 1,965 | 1,244 | 2,094 |
平成31年度(令和2年2月末) | 2,375 |
現在、全国の皆さまから応援いただいているマイステーション運動(ふるさと応援寄附金)による必要経費控除後の金額が1,000千円程度あることから、これらを存続5駅に係る維持管理費用の財源として活用し、存続目的達成の推進を図ります。
また、駅舎・乗降場修繕等の臨時的費用が発生する場合は、これらに加えてガバメントクラウドファンディングなどの活用も検討します。
なお、積極的な鉄道利用促進策や秘境駅等鉄道系資産によるまちおこしによって、よりいっそうのマイステーション運動(ふるさと応援寄付金)を推進しつつ、それらの財源確保についても全国の皆さまから応援いただけるよう努めてまいります。
(4)廃止駅に係る将来負担想定費用の建設的活用の考究について
廃止対象方針とした2駅を存続させた場合に必要となる将来負担想定費用について、宗谷本線全体のよりいっそうの利用促進策となる取組に活用できるよう検討を進めます。
・利便性向上に資するダイヤ検討提案(地方財政措置考究)
・車両有効活用策考究
・秘境駅等鉄道系資産活用策考究
(5)宗谷本線未来像等について
○JR北海道の経営難について
北海道は、JR北海道の経営難は分割民営化時に設置した経営安定化基金の超低金利による運用益が確保できないことが原因であるとし、国が中心となって支援策を展開するよう要望しており、また、「利用促進以外で地域に負担を求めることは受け入れられない」との発言もあり、北海道や市町村がJRの赤字補填や施設更新に財政支援すべきではないとの認識を示している。
このことからすると、国の分割民営化に端を発したJR北海道の経営難を原因とする、無人駅廃止または自治体維持管理による費用負担等について、各自治体が判断することそのものが、北海道の方向性と沿わない恐れがあると考えられるが、これらについては議論が深まっていないと認識している。
○宗谷本線の未来像について
JR北海道の要請に基づき、仮に宗谷本線沿線自治体が廃止等対象とされた29駅すべてを廃止と判断した場合、名寄以北の特急停車駅以外は、智恵文、初野、勇知の3駅しか残らないこととなる。
この場合、普通列車運行そのものの意義が失われることが危惧され、近未来には特急列車専用線区となる可能性があるが、こうした状況について北海道内の公共交通政策の観点から然るべき立場の見解が示されておらず、自治体としての判断に窮する現状にある。
【結びに】
町では、地域の足で町民皆さまにご不便をお掛けすることがないよう地域公共交通の整備に向けた検討を進めるとともに、維持存続する無人駅等を活用した各種取組を進めながら、鉄道があることで地域に旅人が立ち寄り、そして地域の皆さまとの交流を通して「幌延町って素敵な町だね…」と全国の皆さまが「幌延ファン」となっていただけるような地域づくりを目指してまいりますので、町民皆さま・全国の皆さまのご理解と引き続きのご支援ご協力をお願い申し上げます。
問い合せ先・担当窓口
総務企画課
- メールアドレス: somukikaku@town.horonobe.lg.jp
- 電話番号:01632-5-1111(総務担当)/01632-5-1114(企画担当)
- ファックス:01632-5-2971
最終更新日:2020年03月28日
発信元: 総務企画課
- メールアドレス: somukikaku@town.horonobe.lg.jp
- 電話番号:01632-5-1111(総務担当)/01632-5-1114(企画担当)
- ファックス:01632-5-2971